「ちなみにシュウユウ、シエラ殿との約束で今僕に報復行為に出ようとしたらまた血がなくなる羽目になると思うな」
「……ああもう！　シエラさん何こんなのと闇契約交わしてるわけ！？」
「ほほほほほ、ならば次はおんしと交わそうかえ。失敗した場合の責任は無論とってもらうがの」
「……やめて下さいお願いシマス」
「つまらんの」
「ちなみに僕も身代わりは可哀想だからチャンスはあげたんだよ？　最初にまず言葉で警告したり、一回放したり。なのに変態英雄だからねぇ」
「普段の行いが」

「それは最初に制約をされませんでしたから」
「やれやれ、てっきり風の坊や辺りを用意すると思ったのだがの」
「ああ僕こういう時は力づくでは勝ちにくい相手を選ぶので」
「それは優しいこと。負けたらどうするつもりだったのかえ？」
「勿論、適当に姿を眩ませますが」
「成る程のう……良い性格よの」
「この城には良い性格の者がばかりですよね。なんせ軍主からしてぐったり脱力したふりして僕の隙をずっと伺ってますし」
「ちっ」
「それにその事に気づいている妙齢の美女も話で僕の気を逸らそうとしてますし」
「ほほほ」

「ふむ、ようやくかえ？」
「わーなんか予想通りの人キター！？」
「ほほほそうかえ、期待通りでなによりよの」
「してない期待してない」
「ほほほほほ」
「って人の話聞いて…………！」「－－ほほ、相変わらずの甘露よな」
「凄いですね、もう血が止まってる」
「だから言うたろうに。それにさほどの痛みもないぞえ？　今からでも遅うない、妾に馳走するがよい」
「お断り申し上げます……もう他の血が捧げられたのですから約束が違います」
「まあそれはそうなのだがな、流石に妾としても可愛い下僕を心行くまで飲めぬでな」

「シュウユウ」
「おータクト何？」
「お願いがあるんですけど…」
「うん」
「血を下さい」
「……っだれかー！　変態がここにいますー！」
「そう、ありがとう」
「ってわあよせ離せばかぁ！？」
「ふふふ…」
「わっばっスカーフは苦っ」
「僕の為にありがとう」
「ぎゃあーーーーーーーーってあれ？　噛まれてない」
「僕をなんだと思ってるんですか」
「って何冗談？」
「そもそも僕に牙はありませんよ」
「変態英雄ならアリかなって」
「へぇ？　じゃあそういうことで、どうぞー！」
「わっウソ何外れない！？」

4・数年後・合流

「……」
「……」
「……ルックずるくね？　僕なんか泣いたことまでゲロったのに」
「仕方ないだろ。真実なんだ」
「では紋章による転移が出来ない時期に迷子になったことは？」
「そんな無謀なことするわけないだろ。あんた達と一緒にしないでくれる？」
「うわ可愛くねー」
「嬉しいよ」
「ったく誰だよ、迷子の時の話しようとか言ったの」
「シュウユウですよ」
「痴呆症」
「……二人とも愛が足りないわ……」
「そんなの皆無だよ」
「心外ですね。僕は君が大好きだよ」
「……もういいデス」
end