「……どうしたんだ二人共」
「や、やあ。ただいま、玄冬」
「く、くそ……あ、遊びに来たよ……」
「ああ、よく来たな花白。とりあえず中に入れ……風呂にも入った方がいいな。そんな汗じゃ風邪をひく」
「え……いいよ、やっと会えたのに」
「今用意する。服はとりあえず俺ので我慢してくれ」
「……ありがとう」
「ハッハッハ、私のでもいいぞ？」
「絶対イヤだ！」
「おやおや遠慮なんてちびっこらしくもない」
「本気で嫌がってるんだよ！　分かってるくせに本当ヤな奴だなお前」
「おい黒鷹。お前も入れよ」

「ばっそんな玄冬が恥ずかしい思いするって知ってやるわけないだろ！？」
「ふぅ、全くちびっこは我が儘だなあ、コノォ」
「ウルサい！」
「さて、そろそろ息も落ち着いて来たかな？」
「……まあね」
「じゃあ再開、といきたいところだが、そろそろあの子も戻るころだし食事の時間だし。我々も戻ろうか」
「そうだね、お前と二人でいてもいらいらが募るだけだし」
「よし、じゃあ戻ろうか。競争で」
「なっ」
「行くぞちびっこ用意はいいか！　位置について！　よーい、ドン！」
「わっくそ……待てこのバカトリ！」

「だって子供の遊びといったら鬼ごっこだろう？」
「なっ子供扱いするな！」
「と、そんな低い視線から言われてもね」
「……バカトリ、ちゃんばらにしない？」
「うーん、生憎私は野蛮なのは嫌いでね。しかし、折角ハンデでヒト形でしか相手していないんだから、一度くらい捕まえてみ給えよ」
「～～ッ！」
「体力はちびっこの方があるはずなんだけどねぇ」
「やっ山の中じゃなかったら！　街で勝負しろ！」
「ははははは、街中でそんなことしたら後で玄冬に怒られて……それはそれで楽しそうかもしれないな。よし移動しようか」

「ハハハハハ、鬼さんこぉーちら！」
「くそ、待て、このバカトリ…！」
「ふぅむ、しょうがないなちびっこは。3秒だけだよ？」
「こっバカにすんな！」
「おっと惜しい。残念だったねははは」
「くそぉー！」
「はっはっはっは。降参かい？」
「ッ誰が！」
「やれやれそんなに睨まないでくれ給えよ。たかだか遊びじゃないか」
「僕は別にお前と鬼ごっこなんかしたくなかったよ！」
「だって暇だ暇だと言ってたのはちびっこだろう？　だからこうして私が遊んであげてるんじゃないか」
「だからってなんで鬼ごっこなんだよ！」